【重要】10種競技の単語記憶(日本語)について

2010年に日本人選手が10種競技に初出場してから多くの選手が参加してきました。
競技が発展するにつれて、単語記憶について、他の言語に比べ、日本語には漢字・ひらがな・カタカナを区別して記憶しなくてはならず、日本語の難易度が高いのではないかという声が日本人選手から上がりました。
各言語には文化的な背景や言語の特質などがあるため完全に平等に翻訳することは不可能ですが、
そのような意見を元に他言語とのバランスを考えながら、日本メモリースポーツ協会では、2015年に統一感のなかった翻訳の日本語表記の揺らぎを減らすなどの変更を行い、国際団体でも承認されました。(「2015年の変更点)を参照)
その後キッズカテゴリー(12歳以下)やジュニアカテゴリー(17歳以下)の選手の増加に伴い、
小学校や中学校などで習っていない漢字が多数出題されていて記入できないという問題が明らかになりました。
そのような意見を元に、再度他言語とのバランスや年齢格差等を検討しながら、単語記憶のルールを見直し、漢字には全てふりがなを記載することやひらがなで記入した場合でも不正解とせず、スペリングミスと判断する変更をし、国際団体でも承認されました。(「2018年の変更点」を参照)

2019年のアジア選手権後、ある選手から「漢字表記の単語もひらがなで記入した場合でも正解としてほしい。」「漢字の表記の一部が中国語フォントになっているため、モチベーション低下につながる。」「単語が難しすぎて記憶できない。」と言う要望がありました。
上記の3つの要望について日本メモリースポーツ協会と国際団体で協議を行い以下のような指針に変更することにしました。
①「漢字表記の単語もひらがなで記入した場合でも正解としてほしい。」
→今回の協議では変更は加えない方針となりました。
理由は以下の通りとなります。翻訳依頼の原文には”抽象的な名詞で翻訳する”などの翻訳に指定があります。翻訳に指定があるのにもかかわらず、抽象的な意味の漢字で表記されたものをひらがなでの記入も正解にしてしまうと、抽象的な単語として記憶せず、イメージしやすい具体的な単語として記憶することができてしまい、それで記憶した場合でも正解となってしまうためです。
(例)「いし:意志・石」や「えいせい:衛星・衛生」など
その他に、他の言語と比較した場合に、明らかに日本語が簡単になりすぎるためという理由もあります。中国語の場合は、キッズの選手でも全て漢字で書かなくてはなりません。特に台湾語の場合は繁体字となるため、より難易度は高くなります。韓国語の場合も文字は全てハングルではありますが、音の数が日本語と比較する格段に多いため同音や近い音でもスペルが異なるものが多いです。フランス語、ロシア語やモンゴル語間などでも近い問題を抱えているためなどがあります。
ただし、漢字によっては明らかに難しくて書くことが困難と思われる漢字に関しては、翻訳者の意向により漢字の記載ではなく、ひらがなの記載で行うことも可能としております。
(例)「禰宜:ねぎ」・「憂鬱・ゆううつ」など
上記の例の場合は、「禰宜」という単語の場合、ひらがなで記載した場合「ネギ(野菜)」とイメージすることもできてしまうという矛盾が生じてしまいますが、その場合は漢字で記入することが明らかに困難なのか、記憶することが必要以上に易化していないかという部分を図りながら翻訳を行うことになります。
数万から数十万もあると言われている全ての漢字に関して、漢字で書くのかひらがなで書くのかという事前の指定は現実的ではないため、そのため翻訳者によって多少揺らぎが出ることは避けられません。ご了承ください。

②「漢字の表記の一部が中国語フォントになっているため、モチベーション低下につながる。」
→問題を作成するパソコンに日本語のフォントをインストールするなどの対応を検討します。
また問題の最終チェックをネイティブが行い、中国語フォントになっていないか確認をするよう善処します。
なお、今までは翻訳代などは言語別での翻訳代などは徴収しておりませんでしたが、問題作成の手間、工数や機材などが増えるため、日本メモリースポーツ協会設立以前の国際大会であったように、参加費とは別途で翻訳費用を日本語を選択した選手から徴収する場合があります。ご了承ください。

③「単語が難しすぎて記憶できない。」
→アジア選手権をはじめ近年の大会に関しては、徐々に問題が難化しています。本件に関しては他の言語を選択している選手からも同様の声が上がっています。
ソースとなる単語の選定には注意し、簡単な単語から難しい単語までバランスよく配置するよう善処するとの回答がありました。

なお、上記のように国際団体と協力し、日本メモリースポーツ協会も善処いたしますが、全てを完全に保証するものではありませんので、ご了承ください。

※「2015年の変更点」
・日本語由来の単語は漢字またはひらがなで表記を行い、外国由来の単語はカタカナで表記を行う。
ただし動物名と植物名は、全てカタカナ表記とする。
(例)チョコレート、イルカ等
・日本語由来の単語を表記する際の漢字とひらがなの選択は、一般的に漢字で書くことが困難な単語の場合は、 ひらがなで記載を行い、そうでない場合は、漢字で記載する。
ひらがな表記と漢字表記の判断の基準は翻訳者の任意とする。
・送り仮名を含む漢字の場合などは、翻訳者の任意で判断を行う。どちらを選択しても良い。
・また、問題に日本語では存在しない漢字の表記となっていた場合、日本語の表記で記入しても良いとする。 (例)”黑”と記載されていた場合でも”黒”と表記しても可。

※「2018年の変更点」
・漢字にはすべてふりがなをふること
(例)山(やま)
・漢字で記載された単語をひらがなで記入しても不正解とせず、スペリングミスとする 2017年までは「山」を「やま」と記載した場合はその行のポイントは半分とする 2018年以降は、全体のポイントからー1ポイントとする。

ルールに関するお問い合わせは、以下の問い合わせフォームからお問い合わせください。
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